当園で行っているアデニウムの実生方法をまとめました。アデニウムは大変発芽率が良い植物なので、簡単に実生を楽しめ、とてもおすすめです。
初めて実生に挑戦する!と言った方に1番におすすめしたいのがアデニウム。
プラグトレー128穴に1粒づつ入れ、出てきたアデニウム・アラビカムの芽です。他の塊根植物では、この発芽率はなかなか得られません。
今回は、誰でもかんたんに高い発芽率を得られるように当園で行っているアデニウムの実生方法をまとめていきます。
アデニウムの種子でしたら、オベスムでもアラビカムでもその他の品種でも同じ実生方法で種から育てています。
アデニウムの実生方法
まずは、新鮮なアデニウムの種子を手に入れましょう。新鮮であるほど、高い発芽率が期待できます。採取から6ヶ月以内であれば最高の結果を得られると感じています。
新鮮なアデニウムの種子を手に入れたら、次は撒く日を決めます。
アデニウムの発芽条件
アデニウムの発芽条件は2つ。
・温度が20度以上。できれば25度以上
・高い湿度
アデニウムの実生で大事なのが温度。発芽温度が25~35度あたりです。20度でも発芽しますが、より良い結果を求めるなら25度以上をキープしましょう。
また湿度が低いと反応が悪いです。
撒く前日に種子を水につける
アデニウムの種子は、低湿度で撒く前日まで管理します。難しい場合は、ビニール袋に入れ冷暗所の管理で大丈夫です。しかし播種まで数ヶ月時間があく場合は、チャック付きのビニール袋に入れ冷蔵庫に入れましょう。
種を撒く予定日の前日に、水道水に種子を入れておきます。水に付けておく時間は、12時間から24時間ほど。私は、だいたい24時間ほど種子を浸しておきます。
種子が水を吸って、膨らんできます。
撒く土は?
アデニウムの場合は、市販の種まき用土(初期肥料配合)を買って撒いています。手軽です。
ただ、市販の種まき用土でなくても、保水性が高い用土構成なら何でもいけます。アデニウムの場合は、播種用土を深く考える必要はありません。
用土をレンジで加熱したり、熱湯消毒する必要もありません。
今の所アデニウムの種子がカビにやられたことはありません。
覆土はしない
鉢に種まき用の土を入れましたら、アデニウムの種を用土に横向きに置いていきます。その時少し用土に押し付けてください。
その方が湿度が高くなり、発芽しやすくなりますし、種が飛んでいく心配もなくなります。
ただ、覆土はしませんので、種子の上から土はかぶせないでください。
土はしっかり湿らせておく
私は時間短縮のために、プラグトレーに種子を1粒づつ置きましたら、上から水の散水ノズルのシャワー(散水)にて水やりを行います。
水切れすると発芽しない。もしくはしても成長しなくなるので、必ず1,2ヶ月の間は土は常に湿っている状態にしましょう。
腰水が便利です。
できれば殺菌水を噴霧器でまく
播種し、水を十分に染み込ませたら、上から殺菌剤入りの水を噴霧器でかけていきます。
念の為の病気やカビ予防です。無理には行わなくていいです。ただ、古い種子の場合や管理が良くない種子は、出来るだけ殺菌したほうがいいです。
殺菌剤には、定番のダコニールやベンレート、オーソサイドあたりで良いと思います。(各自の判断でお選びください。また薬害が出たと言われましても責任は一切負いません。各種の取り扱いは全て自己判断でお願いします。)
発芽温度をキープ
発芽温度に達していない中で、アデニウムの実生を行いたい場合は、発芽育苗用のヒーターを利用しましょう。ただ高いので、ペット用のホットシートや爬虫類用のマルチパネルヒーターなどを使って、発芽温度をキープしましょう。
私は25度設定で、陽が差し込めば35度くらいまであがる場所においています。
設備を揃えなくても、日中の温度や最低気温が上がってきましたら、容器をかぶせたりすることで、発芽温度を得られるようになります。一度発芽すれば極端に寒くならない限り強いものです。
日中は日の当たるところに置く
日中は、日の当たる半日陰ほどで管理します。そこまで強い光は必要ありませんが、全く当たらないと伸びた苗になりますので、置き場所を工夫してください。
発芽までに日数・時間
3日ほどで、発芽しだし、1週間も経つと出揃ってきます。
播種直後の写真は撮り忘れでありませんが、1週間後の写真がありました。
多くの発芽が確認できます。
こちらは、いいサイズの実生苗。プラグトレーから鉢上げしました。
ひとまず、2.5寸鉢に植えましたが、おそらくすぐに植え替えが必要になります。スペースの関係で、2.5寸が限界。広い栽培場が切実に欲しいです。
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【種子】アデニウム・ソコトラナム 5s Adenium socotranum 純血¥4,950 (税込)
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【種子】アデニウム・アラビカム デザート・ナイト・フォーク 10s¥880 (税込)
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【種子】アデニウム・ソマレンセ 10s Adenium somalense¥990
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【種子】アデニウム・アラビカム 10s Adenium arabicum¥770 (税込)
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【種子】アデニウム・アラビカム(タイニー・ディン・ドン 矮性品種 小型) 10s¥880 (税込)
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【種子】アデニウム・アラビカム ドワーフタイプ 10s 発芽率100% Adenium arabicum Dwarf¥1,100
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【植物】アデニウム・DHA 葉巻 【A70】 Adenium DHA¥14,300
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【植物】アデニウム・DHA 葉巻 【A67】 Adenium DHA¥14,300
アデニウムの実生は、ほんと楽しいので、やってみてください。パキポディウムよりも種子の価格も安いですし発芽率最高です。野菜の種より発芽しやすいです。
アデニウム実生方法のまとめ
アデニウムの実生を少しでも楽しんでいけるよう今回、記事にまとめました。
長々と書きましたが、種子を十分に水に浸し、発芽温度を保ち、水切れさせない。これだけで、アデニウムなら発芽してきます。
ただ、種からは管理が不安という方のために苗を販売できるよう作っていますので、そちらもご検討ください。
本記事で紹介したアデニウムの種子は、公式通販ショップにて販売しています。
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はじめまして、長文のコメント失礼いたします。
この度、初めてアデニウムを種から育ててみたいと思い、アラビカム ドワーフタイプを購入させていただきました。
記事内にある画像のような素敵なアデニウムに成長させたいと思っているのですが、水やりについて不安なので質問させてください。
今週末に植えて、以下のような環境に置く予定です。
(初心者なので発芽後の植え替えで傷つけてしまうのが怖くて、3号鉢に植えてそのまま育てたいと考えています。)
・置き場所
室温26~29度、ledライト
・鉢
素焼き3号鉢
・土
赤玉土(6)、ボラ土(2)、ゼオライト(2)くらい
(排水性が良すぎるでしょうか??)
記事内に、「必ず1,2ヶ月の間は土は常に湿っている状態にしましょう。」と書いてあるので、毎日水やりをしようかなと思っています。
そこで、土が常に湿っている状態から、水やりを減らしていくタイミングはどのように判断されていますでしょうか?
塊根植物ということで、根腐れについて心配しています。
また、記事内で、プラグトレーから鉢上げして2.5寸鉢に植え替えされているアデニウム・アラビカム(タイニー・ディン・ドン)の画像がありますが、
これは、発芽後どれくらい日数が経った状態で、この時の水やり頻度はどのようにされていますでしょうか?
よろしくお願いいたします!
実生の挑戦ありがとうございます。
以下私の考えになります。(正解とは限りませんのでご理解ください)
アデニウムの根腐れについて、基本的に根が張り動いている時期は起きません。低温期になりますので、本葉がでてきましたら今は乾湿を意識しつつ乾けば水をやる。という管理で良いかと思います。
ただ播種後すぐの場合は、毎日水やりをする。もしくは腰水管理にて、用土を常に湿らせ、種子を発芽しやすい環境にしてあげる必要があります。播種後すぐは乾燥させると発芽しないもしくはこじらせます。
水やりを減らすタイミングですが、見たときのフィーリングで決めていますので何とも言えません…その感覚が1ヶ月~2ヶ月になります。本葉が出てきたあたりから徐々にやる頻度を下げていき、最終的に成長期でしたら鉢内が9割ほど乾いたら水をやる。という管理に持っていくと良いかと思います。
アデニウムは成長が早いので、根域を広げてあげる、鉢サイズを上げていけばそれに応じて大きくなります。LED下と太陽光で比べてみるのも面白いかと思います。その他環境を変えたり、剪定したりといろいろと試しながら実生をお楽しみください。
コメントありがとうございます。
本葉がポイントなのですね!
とりあえず本葉が出るまでは毎日水やりをしてみようとおもいます。
これから毎日観察するのが楽しみです。
教えていただいてありがとうございます。
はじめまして、コメント失礼します
この度初めてアデニウムを種から育てているのですが、なかなか情報が少なく戸惑いながら育てております。
今、本葉が出始めたところで停滞しております。双葉が枯れ始めているところもあります。
水のせいかと思っているのですが、この本葉が出始めたくらいではどのくらいの頻度で水をあげるのが良いでしょうか?
大人の子は1週間に1回ほど、乾いてからあげてます。
はじめまして、どうぞよろしくお願い致します。
停滞とのことですが、置き場の気温はいかがでしょうか。アデニウムは気温が低いと動きませんので、温度をあげることにより成長を早められます。
温度をあげると、用土の乾きも早くなりますので、自然と水やりの頻度も増えます。
ただ、このときに日光が少ないと、徒長し軟弱な苗になってしまいますので、光量が期待できない環境の場合は、温度をあげずにゆっくり育てると良いかと思います。
寒くない環境でしたら、用土全体が9割ほど乾けば水をやる、しかし寒い場合は水をやっても根がうごいていませんので、腐るリスクが高くなります。